ポリスカーの歴史 【 Police car history】
2020 年 3 月 20 日に公開される「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」のプロモーションでハーレークイーンが寝そべっているその車こそクラウンヴィクトリアのポリスカー。
ハリウッド映画やドラマでよく目にするアメリカのポリスカーは、実はBPコーポレーションで購入することができます。これまで多くのアメリカ車(通称:アメ車)を販売してきました。
さて、今回は「アメリカンポリスカー」の歴史とその魅力についてご紹介します。
【アメリカンポリスカーの歴史】
アメリカで初めてポリスカーが登場したのは、1899年 機械技師フランク・ルーミスによって開発されました。電気で動くワゴンタイプの自動車で時速 26km/h、充電が満タンの状態で 48km 走行できるといった性能だったそうです。
近年、脚光を浴びている電気自動車ですが、その誕生は1973年 ガソリン自動車(1886年)よりも古い歴史を持つのです。ちなみにこの車の初仕事は「交差点で酔っ払った男性を拾い上げ、搬送する」でした。(笑)
ですがポリスカーといっても当時は一般の自動車と同じ仕様だった為、犯罪者達の追跡には苦労していました。また現在と違い、20世紀の初めは 1人と 1台で広い範囲を担当していた為、発生した犯罪に素早く対応することも困難でした。
【1899年、世界初のポリスカーはまさかの電気自動車だった!】
1921年、デトロイト州の警官だったケニス・コックスと見習いエンジニアのロバート・バットは 1908 年に発売されたフォード・モデル T(通称:T 型フォード)の後部座席に無線装置を搭載しようと試みました。そこから長い年月を経て、1928年にようやくワンウェイ AM無線機の搭載に成功、これによりデトロイト州の警察官達はパトロール中でも通話を行えるようになりました。ニューヨークの警察署もそのアイデアを採用、市内のポリスカー全てに無線装置を搭載しました。
1932年、V8エンジン搭載のフラットヘッド・モデルB がフォードから発売されると、多くの人々に愛される車となりました。当時は高級車のみに使用されていたV8エンジンでしたが、低価格で大衆向けに販売した結果、爆発的な人気を誇るモデルとなりました。
アメリカの警察署もこの車も高く評価し、長い間ポリスカーとして使用されることになります。
【1932 Ford Flathead V-8 Model B / フォード・フラットヘッド V-8 モデル B】
1940 年に入るとアメリカ国内の自動車メーカー「ビッグ 3」と呼ばれるフォード(Ford)・ゼネラルモーターズ(General Motors)・クライスラー(Chrysler)は警察署の意見に耳を傾け、警察用の特別仕様車の開発(ポリスパッケージ)を開始しました。 初めてポリスパッケージが登場したのは 1950年、フォードが発売したマーキュリーエンジン(Mercury engine)搭載のメインライン(Ford Mainline)です。サスペンション・ブレーキ・ドライブトレイン・冷却系パーツ・内装部品等が変更されており、スピード・操作性・耐久性・実用性が向上されたものでした。
【Ford Mainline Police Sedan / フォード メインラインポリスセダン】
1969年はプリムス・クライスラー(Plymouth Chrysler)が一番人気でしたが、オイルショックの影響により1970年代からはより小さく、よりエネルギーを消費しない自動車が求められる時代となりました。この流れでアメリカやカナダの警察署はプリムス・サテライト(Plymouth Satellite)、フォード・トリノ(Ford Torino)、AMC・マタドール(AMC Matador)などをパトカーとして使用し始めることになります。高速道路での追跡の為、いくつかの州では運動性能の高いフォード・マスタング(Ford Mustang)、コルベット・キャメロ(Chevrolet Camaro)、AMC・ジャベリン(AMC Javelin)なども採用されるようになりました。
【Plymouth Satellite / プリムス・サテライト】
余談ですが昨年公開されたキアヌ・リーブス主演の映画「ジョン・ウィック」では1969年式のフォード・マスタングBOSS429 が登場しアメ車ファンを喜ばせました。
【Ford Mustang / フォード・マスタング 映画:ジョン・ウィックより】
1970年代後半に入ると小型化されたフォード・LTD(Ford LTD)、シボレー・カプリス(Chevrolet Caprice)がポリスカーのスタンダートとして認知されるようになりました。
【1973 Ford LTD Country Squire / フォード・LTD カントリースクワイア】
【1970 Chevrolet Caprice / 1970 シボレー・カプリス】
その後、1996 年にシボレー・カプリスの生産が終了するとフォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター(Ford Crown Victoria Police Interceptor)が広く好まれ、2010年前半にはポリスカー市場の7割を占めるほどの人気を集めました。アメリカ国内の警察署ではFR車(フロントエンジン・リアドライブ車)が好まれる傾向にあり、その理由としてアメリカやカナダの警察官が後輪駆動車の扱いに慣れていることが挙げられます。
アメリカ、カナダではカーチェイスが発生した場合の為、トレーニングを行うのですがその際に後輪駆動車が多く使用されます。FF 車と比べるとFR 車は操作性に優れており、瞬間的に加速がしやすくメンテナンスも行いやすいのでポリスカーに適していると言えます。
【カンザス州での訓練の様子】
【Ford Crown Victoria Police Interceptor / フォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター】
2011年にフォードがクラウンビクトリアの生産を終了し、シボレー・インパラ(Chevrolet Impala)、シボレー・タホ(Chevrolet TAHOE)、ダッジ・チャージャー(Dodge Charger)なども広く愛されるポリスカーとなりました。フォードも2012年にSUV のフォード・エクスプローラー(Ford / EXPLORER)をベースにしたユーティリティー・ポリスインターセプター(Police Interceptor Utility)の生産を開始、こちらは2020 年現在も高い人気を誇っており、アメリカンポリスカーの約5 割を占めています。
【2020 Police Interceptor Utility/ ポリスインターセプター・ユーティリティー】
以上、簡単ではありますがアメリカンポリスカーの歴史について紹介しました。
これまでドラマや映画で何気なく目にしていたアメリカのパトカー。
ここまで読んでいただいた方、今後は車種やモデルを見ただけでその時代を判別できるようになっているかも?(笑)
ここから少しだけポリスカーに関するマメ知識をご紹介します。
【ポリスカーに関するマメ知識】
- アメリカでは色々なあだ名で呼ばれている。(パンダ・ブラック&ホワイト・チェリートップ・クジラetc…)
- ポリスカーが広く普及するまではバイクの方がよく使用されていた。
- それぞれの州で車のペイント、色、サイレンランプの色が異なる。
- 助手席にノートパソコンが装備できるようになっている。
- オクラホマ州の警察署は「この車はドラッグディーラーの車でしたが今は我々のものです」と書かれたキャデラック・エスカラード(Cadillac Escalade)を所有している。
- 初のポリスカー仕様のシボレー・カマロ(Chevrolet Camaro Police car)はカリフォルニア州にあるアズサ警察署が所有している。
- マサチューセッツ州にあるベルチャータウン警察署には2階建てバスのポリスカーがある。
- 映画ではよく1台のパトカーに2人乗っているが州によっては1台に1 人のところもある。
- ポリスカーは効率的に光が反射しやすいようペイントされていることが多い。
- 非常事態の為、消火器、応急手当キット、AED などを積んでいる。
【アメリカンポリスカーの魅力】
古い歴史を持つポリスカーですが実は2~5 年使用されたものは競売や民間企業を通して売りに出される為、一般の方でも購入できるのです。アメリカ国内ではタクシーや自家用車として使われるものも多いとのこと。
中古車ですので比較的安価で購入でき、日本から購入することもできます。
もちろん、BP コーポレーションでも実際にアメリカで使用されていたパトカーを販売しています!
「実際にアメリカで使用されていたポリスカーを日本で運転できる!」これだけでも十分夢のような話ですがアメリカのパトカーにはまだまだたくさんの魅力があるのです。
まず、ポリスカーはハイパワーなエンジンが搭載されていることが多いです。基本的にはV6 エンジン搭載のパトカーが多いですが、中にはV8 エンジンを積んでいるものもあります。高い加速性能はもちろん、通常より⾧い走行距離に耐えられるよう改良されています。
オイルクーラーも改良されていて通常より大き目のラジエーターとファンが付いており、座席・サスペンション・ブレーキパッド・トランスミッション・タイヤ・スピードメーターなどは耐久性のあるものに強化されています。
また、座席下にはガンベルト・拳銃用の収納スペースがあるタイプの車もあります。オルタネーターは225amps、もしくはそれ以上発電できるものに変更されていますがこれはライト・ランプ・無線機・ノートパソコンなど電力を消費する機器が多いためです。(一般の車は100amps 程度)
⾧距離運転していてもストレスにならないし、メンテナンス性も抜群です。
「アメ車はすぐに壊れる」といったイメージがある人もいますがそんなことはありません。
⾧い距離を走ることの多いアメリカで壊れやすい車を作っていたらそのブランドは生き残っていけません。古い車でもパーツを販売していることも多く、自分で部品を交換しながら何十年と同じアメ車に乗っている方もたくさんいます。BP コーポレーションでも部品交換やメンテナンスを行っているのでご安心ください!
このように、普段私たちが使用している車とは違う素敵な魅力がある車、それがアメリカのパトカーなのです。
【ポリスカーの種類】
ここからはアメリカで人気のポリスカーをご紹介していきます。
掲載している車は全て、BPコーポレーションにご連絡いただければ販売可能です。
また、生産終了しているポリスカーや下記で紹介していないものでも対応できる車は多くございますので、アメリカのパトカーを購入したい方はまずお問い合わせ下さい!
2020 Ford Police Interceptor Utility
「アメリカンパトカーの歴史はフォードの歴史」とも言えるほど何年もポリスカーを製造し続けているフォードが2020年に発表した車が2020 フォード・ポリスインターセプターユーティリティーです。
SUVタイプで室内空間が広く、車内での待機時間が多いアメリカの警察官に高く評価されており、現在国内で1 番人気のあるポリスカーです!
ハイブリッドのパワーユニットと4WDが標準仕様で3.3L V型6気筒のエンジン搭載、6.9秒で96kmにまで達し、最高速度は脅威の220km/h!馬力も318hp とものすごいパワーです。高い走行性能、耐久性、安全性、経済的な面も含め全てが一級品の車です。
広い室内なのでご家族でも安心してドライブを楽しむことができます。
こんなかっこいい車が日本で走っていたら見ている方もワクワクしますね!
これまで、そして今後もアメリカのポリスカーを引っ張っていくであろうフォード。
是非、あなたの目で確かめてみて下さい。ちなみにフォードはこんな動画も作成しています。
The Evolution of Police Vehicles | Ford
2020 CHEVROLET SILVERADO SSV
ゼネラルモーターズ(General Motors)がシボレーブランドで販売する大人気のフルサイズ ピックアップトラックのポリスカー仕様です。1960年からアメリカを代表するピックアップトラックとして活躍したシボレー・C/K の後継ですので実は歴史のある車なのです。2008年8月には、それまでトラック部門の売り上げ1位だったフォード・F シリーズを抜いて全米で販売台数No.1 にも輝きました。5.3L V型8気筒のエンジン搭載、355hpで4WDですので砂利道や荒れ地でも力強い走りを見せてくれます。後ろのトランクも見た目以上に広くアメリカンポリスも重宝しているようでトラックなのに燃費もよく、環境にも優しい車です。
Dodge Charger Pursuit Police
1914年創業で歴史のある自動車メーカー、ダッジ(Dodge)も昔からポリスカーと関わりの深いブランドです。初めてポリスパッケージが登場した1950年の僅か5年後にダッジもポリスパッケージを提供しています。その中でも現在広く使用されているのがダッジ・チャージャーパシュートポリスです。フォードがそれまで7割強の市場占有率を持つクラウンビクトリア(Crown Victoria)の生産を終了した2012年、代わりにリーダーシップを取ったのがこの車でした。3.6L V型6気筒のエンジン搭載で292hp が標準仕様ですがオプションで5.7 リットルのV-8 エンジンへ変更可能です。こちらに変更すると馬力が脅威の370hp、6.05秒で96km/h に達し最高速度はなんと241km/h!最速のポリスカーといっても過言ではありません!2020年モデルはアメリカンポリスが大好きな後輪駆動車(2019年モデルは四輪駆動)ですので、こちらもかなりの販売台数が期待できそうです。
1974 Dodge Monaco Sedan Bluesmobile
すこしここで変わったポリスカーを紹介します。
1980年にジョン・ランディスが監督したアメリカ映画The Blues Brothers(ブルース・ブラザーズ)に登場し一躍有名となった車、1974年型ダッジモナコセダンブルースモビル(74 Dodge Monaco Sedan Bluesmobile)です。映画の中ではイリノイ州マウントプロスペクト警察から払い下げられた設定ですが実際、1970年頃ではよくポリスカーに採用されていた車種でもあります。ポリスカー仕様のブルースモビルは7.2L V型8気筒のエンジン搭載で375馬力、劇中でも多くのポリスカーとカーチェイスを繰り広げています。上の写真では映画で登場した巨大なメガホンが付いているものになります。
現在でもアメリカを中心に広く愛されており、映画で使用されたものと同じ仕様にしたブルースモビルを所有している人もたくさんいます。またアメリカでは劇中のジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのコスプレをしてブルースモビルを運転する人もたくさんいるらしいです。(笑)
【終わりに…】
今回の記事ではアメリカンポリスカーの歴史や魅力、種類などをご紹介させていただきましたが、如何だったでしょうか。アメ車の中でも他とは違う魅力があるポリスカー。
実際にアメリカで使用されている自動車が購入できるのは魅力的ですし、見ている方もワクワクしてしまいますよね。デザイン性も実用性も高いとなれば気にならないアメ車ファンはいないでしょう。
興味が湧いてきた方は是非、BP コーポレーションにお問合せください。
経験豊富なスタッフが丁寧に対応致します!